十数年ぶりに映画館に行き、チケットの買い方から分からず戸惑いました。アカデミー賞で話題になっている「オッペンハイマー」は上映時間が3時間、核爆発の音が激しいので年寄りには苦痛でした。悪魔の爆弾を作ってしまった天才の苦悩を丁寧に描いていて、今の世界の核拡散の現実に意識が向き、考えさせられました。
クリストファー・ノーランは原爆開発に関わった当時の著名な物理学者を多数登場させて、当時の現場の緊迫感と高揚感を高めたドキュメンタリー映画にしています。悲惨な被爆地の映像を意図的に入れないで、観客の想像力を求めているようです。
80年前のあの戦争は、人類に「パンドラの箱」を開けさせてしまった。オッペンハイマーの苦悩は今では人類の苦悩に変わりました。スタンリー・キューブリックの作品に「博士の異常な愛情」というコメディタッチの核戦争ものがありました。戦いに破れかぶれになったリーダーが核のボタンを押すことも起こり得る。想像を超えて、それが現実になる時代だと思います。映画の中でトルーマンが「恨まれるのは私で、君ではない」とオッペンハイマーを罵倒するシーンは印象に残りました。



























