鳴き砂のルーツ
鳴き砂は風化しやすい花崗岩からできたと考えられています。海浜の鳴き砂形成は次のような経過をたどります。
花崗岩の風化→砂岩層として堆積→川で削られて海へ→長石などの柔らかい鉱石は波で砕かれ、硬い石英は残り、長い時間をかけて丸く磨かれる→鳴き砂の形成
日本の鳴き砂は、北九州から室蘭までの海岸と山間部にあり、室蘭のイタンキ浜など一部を除き、ほぼ直線的に分布していることが知られています。この直線に重なって、約3億年前の古生代のペルム紀以前の基盤地層が分布しています。鳴き砂になる古い花崗岩層は九州から関東にかけての中央構造線の北側(内帯)だけにあります。花崗岩層の無い構造線の南側(外帯)では鳴き砂は見つかっていません。
山形県飯豊町は、2022年の夏の豪雨による水害が発生して全国ニュースになりました。この飯豊町の遅谷にある珪砂層で、数百万年前の地層から海浜砂の特性を持つ鳴き砂が発見されています。日本列島は約2500万年前にユーラシア大陸の付加体が分離してできたと考えられています。鳴き砂のルーツはもっと古く、日本列島が生れる前のユーラシア大陸で風化した花崗岩にまで遡ることができるのではないかと思います。幾多の地殻変動を経て、悠久の時間をかけて石英粒子が磨かれながら形成されてきたと考えられます。


琴ヶ浜には、黒崎安山岩の厚い層の下に、古い真砂の白い層が見えます。日本列島の基盤岩は日本海側ほど古く、琴引浜(三輪先生が始めた地域ぐるみの保護活動で守られている日本一の鳴き砂の浜)で知られる丹後半島と共に、能登半島にも、約4億年も前の地層があります。琴ヶ浜の石英も、琴引浜のそれに似てよく研磨された丸い形をしています。
